事業承継による社長と企業の若返り

 わが国には数十万社の企業があり、その内、中小企業は約99.7%をも占めており、中小企業は日本経済そのものだと言っても過言ではありません。

 そして、以前から問題となっている中小企業の高齢化はより深刻化しているのが現状です。

 東京商工リサーチの調べによると、中小企業の経営者の平均年齢の推移は例年右肩上がりで、2016年は前年より0.3歳上昇し、61.19歳までになったと発表されました。また、後継者不足等の理由で自主的な廃業・解散も増えており、2016年の廃業・解散件数は、過去最多の2万9,583件を記録しています。

 事業承継が相当数行われていれば、社長の年齢の若返りが起こり、廃業・解散件数も減少されるはずですが、これだけ高齢化が進んでいるという事実は、すなわち事業承継が喫緊の課題と認識されながら、実施できている企業が少ないということが分かります。

 一方、社長と業績の相関関係は、社長が若いほど「増収増益」企業の比率が高い傾向にあり、「赤字」企業率は社長が70代以上の枠に近づくほど比率が高いというデータがあり、年齢とともにビジネスモデルの老化の問題が浮き彫りになりました。

 業界にもよりますが、日本の人口減による市場縮小の問題も相まっており、厳しい市場環境に即したビジネスモデルの構築は避けては通れない課題であり、事業承継がその解決策のひとつだと思われます。