支援前

 C社は、M地方の大手ソシアルビル事業者である。C社は、ソシアルビル業界全体の冷え込みに加え、関連会社投資によって発生した過剰債務の負担増により、利益・CFとも右肩下がりかマイナスの状況にあった。今後、ソシアルビル市場回復の期待はあるとしてもその成長性は限定的であり、ビル自体の施設容量に限界があるため仮に収益が向上したとしてもCFがマイナスのままであって、現在の過剰債務を抱えたままでの自主再建は不可能であった。

 過剰債務の処理のためには、スポンサーを選定する必要があったが、一般的に、ソシアルビルは投資の対象としては避けられがちであり、スポンサー候補者の探索には困難が予想された。

支援内容

 C社のソシアルビル事業におけるブランドとPMノウハウは卓越したものがあり、処理にあたっては当該ブランドとPMノウハウを活かしたスキームを考える必要があった。

 C社の債務圧縮を狙いとしてC社およびオーナーが所有するビル全部を入札により売却することとしたが、その際、ソシアルビルの管理運営ノウハウと地域への影響を考慮しC社がPM事業を業務受託することとした。したがってソシアルビル事業は、ソフトであるPM事業は現オーナー家に残され、ハードであるビルの所有者が変わるだけというソフト・ハードを分離するスキームが取られることとなった。ビルの売却やPM事業にとってのリスクを解消するために問題となるテナントを整理する必要があるため、テナントとして入居している関連会社については同時並行で整理をした。

 具体的な方法としては、C社はビル全棟の売却と同時に、自社の人員と契約関係を新設法人に譲渡することとし、売却後のC社は特別清算により清算することとした。

 以上の方針のもとでスポンサー選定のための入札が行われたが、C社がPM事業者としてオペレーションを担当することで、投資物件としての安定性が高まり、入札の結果、想定を大きく超える価格で落札された。

 また、オーナー家の保証債務については、C社の特別清算後に特定調停手続きを利用し、全債権者の協力のもと処理を行った。

支援後

 新設法人へ移管されたC社のPM事業は、ビル物件の新所有者と良好な関係を築きながら事業継続を行うのみならず、他の案件にも関与していくなどソシアルビルを中心としたPM事業者としての地位を確固たるものとしていった。